美容整形ネタではないのですが、美容と健康とは切っても切り離せない話なので。2025年4月18日、婦人科にて、更年期対策として「ミレーナ」を勧められたので入れてみました。
ミレーナとは、「IUS / 子宮内システム」。子宮にダイレクトに器具を入れて、避妊やPMS・月経症状を改善させるため用いられています。避妊器具としてのイメージが強いですが、最近では月経症状への対策としての保険治療の一環としてもよく名前が挙がります。
とはいえ、ピルの方が一般的であり、こちらは普通〜に過ごしているとあんまり「入れる」という選択肢が出てこない物だと思います。なので、せっかくなので「ミレーナ」装着を決めた経緯と実際をまとめてみました。
以下、子どもなしのアラフィフ一般中年女性によるミレーナ体験談です。なお、あくまで個人の体験談と自分の考えなので、詳しくは公式サイトか病院で確認をしてくださいね。
更年期、経血出血量がエグくなり婦人科へ
生理痛に薬が必要ながらも、経血量自体は比較的少なめだった私。ですが、ここ半年くらい、突然生理の質が変わり、普通のナプキンでは対応できないくらいの量が出るようになりました。
もともとは強い腹痛+濃いめの多くも少なくもない経血量だった生理が、痛みはあったりなかったりになる代わりに経血量がなんだかおかしい。尿もれか!?と思うような水気の多さで、経血自体も痔と錯覚するほどの絵の具の朱赤のような鮮血タイプ。出かけるにも、タンポン×ナプキンのW使いでないとけっこうな確率で漏れてしまう。
生理二日目前後は外出もままならず、旅行どころか日常生活にも支障が出てきたので、この生理の状態は普通じゃないのかも〜と調べてみることに。経血過多と更年期でネット検索してみると、どうも子宮筋腫の症状としての例が多いみたい…
ということで、上記の症状+下腹部だけがすごーく出てるから、これは子宮筋腫に違いない! と、あれこれ調べて子宮の全摘出も覚悟の上で、婦人科の予約を入れました。
結果はオールグリーンだったのだが…
さっそくその数日後には近所の婦人科に検査へ。
持ち物は保険証など以外、とくに特別な物はなし。検査は下着とボトムだけ脱ぐので、ストッキングではなく靴下+ロングスカートで向かいました。
子宮筋腫のチェックをするならついでに、と子宮がん検診もしてもらって、その日は待ちも含めて小一時間で終了。子宮がん検診は結果までタイムラグがありますが、筋腫チェックはその場でモニターを見ながらの確認になります。
結果としては、まさかの小さな筋腫すら一つもなし! のオールグリーンな子宮。え…じゃあ下腹部はただの脂肪だったんだ……
というしょうもない衝撃を受けているのを横に、先生からは「更年期の症状の場合には、こういうのもありますよ〜」と一枚のチラシを渡されました。それが「ミレーナ」でした。
ミレーナとは。装着のメリット
ミレーナについての公式サイトはこちら。ミレーナ本体はY字型の小さなプラスチックみたいな物です。
元は避妊用具として使用されていた商品ですが、器具から微量に放出され続けるホルモンによって子宮内膜を薄い状態に保つことで月経関係の症状への治療方法として現在は保険適用で使用されています。
こちらは公式サイトの説明より。避妊効果の解説とミレーナの形状です。SFチックな外見してます。

器具のサイズ感は貰ったチラシの方がわかりやすい。これ↓が子宮の中、ちょうどVゾーンの中央あたりに来るような感覚です。

入れると子宮内でこういう変化が出るらしい。内膜の厚さで生理って変わるんですね〜へぇ〜。

習ったのかもしれんがもう忘れてしまった…自分の体のことなのに……
ざっと特徴をまとめるとこんな感じ。
- 子宮内膜を薄く保つ効果がある
- その結果、避妊の効果がある ※避妊目的は自費治療
- その結果、月経困難症、過多月経の改善に効果がある ※こちらは保険適用
- 排卵自体はこれまで通りにある
- ピルの副作用が不安な人でも使用が可能
- 装着型なので最長5年効果が継続する
- 性感染症の予防効果はない
- 半年〜1年、それなりに副作用がある(不正出血、痛みなど)
- 経産婦以外は装着時になかなかの痛みがあることが多い
月経困難症、過多月経の改善に効果がある、て具体的にはどうなるのって感じですが、1割の人は完全に生理が止まり、大多数がいつもより生理が軽くなる、または頻度が低くなるそうです。
ただし、閉経とは異なるため、女性ホルモンが激減するわけではない。そこがポイント。
出産予定がなく、過多月経っぽい症状が更年期として出ていて、生理はない方が良いと思っていて、でも女性ホルモンが枯渇するのは困ると思っている人間としては、これは願ったりかなったりな治療では?と思いました。
願わくば、完全に生理には止まっていただきたい。
ミレーナを入れるデメリットはあるのか
入れるだけで生理が抑えられる、あるいは止められるなんて、魔法みたいなことあるんだなぁと心惹かれる一方、当然デメリットもあるんでしょう? という気持ちがムクムク…
調べてみると、やはりそれなりにありました。
- 月経出血日数の延長
- 不正出血
- 月経周期の変化
- 腹痛
- 入れても抜け落ちる可能性はある
- 一ヶ月、3ヶ月、半年、1年後に検診の必要あり。以降は半年か一年ごとに要診察
- 重大な副作用として、 骨盤内炎症性疾患 (PID)、 異所性妊娠、穿孔、卵巣のう 胞の破裂など
でも、正直言って上から4つは生理があったってどうせあるし、経血量や生理痛が抑えられるのであればトレードで引き受けても全然いいかなという内容です。また、ほとんどは馴染むまでの半年〜1年の症状であり、一時的な物と思えば許容範囲。
5,6番目は、まぁ…異物を入れようとしてるんだから、それも仕方ないでしょう、という感じ。
最後の「重大な副作用」が起きたらさすがに怖いなと感じますが、その副作用が自分に起きる確率と、現在の生理からくる負担を天秤にかけたら…私は入れた方が良さそうだと思いました。
他、よく言われる臭う、太るなどは基本的には作用としてない、とされています。が、一部でそうなったと言う方もいらっしゃるので、このあたりはミレーナだからというよりは、ミレーナで生まれた変化(経血やおりものの量が変わった影響、PMSが収まったことからの影響)から派生しているものというのが正しそうです。
結論としては、デメリットは確かにあるが一過性のものがほとんどで、他に比べるとかなり負担とリスクが少ない治療法だと言えます。
ミレーナはどのくらいお金がかかるのか
装着したら約5年は生理に悩まされないで済むって、めっちゃいいじゃん…という発想自体は、実はけっこう前にも一度思い至っていました。
生理って、出産予定がない女性にとっては負担でしかないじゃないですか。すべてにおいて。排卵回数を抑える方が長寿面からも体には良いという話も聞いて、じゃあ生理なんか抑えた方がいいじゃん、と。
ただ、その時には、特に理由も症状もなかったので保険適用ではありません。調べてみると、自費診療だと5万くらいが相場…う〜ん、生理がめんどいだけで5万は厳しいな…と見送ったのでした。
場所や病院によってかなり価格差があるようですが、現在だとこんな感じみたいです。できるだけ近場で手頃な、信頼できる婦人科に行けると良いですよね。
🩺 ミレーナの相場費用情報(2025年時点・日本国内)
費用区分 | 費用相場 | 内容 | 備考 |
---|---|---|---|
保険適用 | 約15,000〜25,000円(3割負担) | 初診、検査、ミレーナ本体、挿入処置など一式 | 対象:過多月経・月経困難症など治療目的 |
自費診療 | 約50,000〜80,000円 | ミレーナ本体(約40,000〜50,000円)+処置費等 | 対象:避妊目的など、保険適用外 |
定期フォロー | 数千円〜(年1回程度) | 超音波や内診による確認など | 継続的な使用には定期検診が推奨される |
今回は不本意ながらも月経過多と更年期という症状があったので、保険適応になります。私の行った病院では、ミレーナ処置だけで言えば1.5万円程度。諸々含めても2万円いきません。
生理期間を5日間、羽つき昼用ナプキンを一日5枚+夜用1枚くらいという大雑把な設定で考えると、生理用品だけでも5年の間にざっくり予算3万円くらいかかるのかなと。ここに痛み止めなどを足していくともっと使っているわけです。
なら、もうよくない…? しかも、ミレーナで生理自体を抑えながら、年齢的にはそのまま閉経していくこともあり得る…と思うと、いや、もうそれがよくない!? むしろ、めっちゃよくない!?!?
ピルじゃ駄目なのか。ミレーナとピルを比較してみる
ここまで書いてきて気付いたんですけど、なんでピルじゃなくてミレーナなの? という話。自分でも気になったので、ちょっと比べて表にしてみました。
💊 ピル vs 🩺 ミレーナの比較(2025年・日本)
項 | 低用量ピル | ミレーナ |
---|---|---|
主な目的 | 避妊・月経調整・PMS改善など | 避妊・月経困難症・過多月経の治療など |
費用(保険適用時) | 約1,000〜3,000円/月(3割負担) | 約15,000〜25,000円(本体+挿入費など含む) |
費用(自費の場合) | 約2,000〜4,000円/月 | 約50,000〜80,000円(初期費用一括) |
使用期間の目安 | 毎日服用・継続 | 約5年間有効(挿入1回でOK) |
定期通院の頻度 | 数ヶ月に1回の診察(処方ごと) | 年1回程度のチェック推奨 |
メリット | 調整しやすい・中止も簡単 | 継続管理が不要・ホルモン量が局所に限定される |
デメリット | 飲み忘れリスク・副作用が出る場合もある | 挿入時に痛みあり・副作用が出る |
思い出しました、私がピルを選ぼうと思わなかった理由。ずーっと定期的に飲み続けないといけないのがめんどくさいな…(忘れる)というのが主な理由でした…。
また、更年期に差し掛かるとピル服用の場合はホルモンの関係で血栓形成リスクが高くなるそう。ピル愛好派も、それを理由にミレーナに移行する人もいるとか。
あとやっぱり高いなと思っていたんですね。なので、先ほどミレーナの価格についてと少し重複しますが、コスト面ももうちょっと比較してみます。
🩸 ピル vs ミレーナ:費用比較(年単位・5年単位)
項目 | ピル(低用量) | ミレーナ |
---|---|---|
1年あたりの費用(保険) | 約12,000〜36,000円 | 約3,000〜5,000円相当 |
1年あたりの費用(自費) | 約24,000〜48,000円 | 約10,000〜16,000円相当 |
5年トータル費用(保険) | 約60,000〜180,000円 | 約15,000〜25,000円 |
5年トータル費用(自費) | 約120,000〜240,000円 | 約50,000〜80,000円 |
短期間とりあえずやるならピル、中長期で続けるつもりなら通院回数なども含めてミレーナが圧倒的にコスパが良い! 自分で調べて納得しました。ミレーナで良い、ミレーナが良い(※最終的に、決めるのは医師ですが…笑)。
ミレーナ、入れることに決定
という訳で、ミレーナ、採用です。
子宮がん検診の結果を受け取りに行く際に、もう入れてもらおうと心に決めました。装着の実際については、長くなってしまったのでまた続きにて。
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